おはよーございます。
ひいろです。
ようやく、ブログも再開でき、うれしい限りです。
さて、今回は、歩行についての豆知識をご紹介します。
わたしは、大学院にて、歩行の研究をメインに行っております(今現在は)。
歩行は、最も基本的な移動手段で、よく使われれる活動ですよね。
「歩行」、フォーカスしていこうと思います。
ひとは一生で赤道3周分歩く?
驚きですねよ。
日々、何気なくしている「歩く」という動作。
これを人生80年換算で考えると、約75000マイル歩くとの報告があります。
1マイル=1.61kmとなります。
75,000マイル=120,750kmと計算できます。
赤道は一周の距離は約40,000kmとのことなので、約3周分となります。
そ、そんなに歩いているとは。
しかし、これは海外のサイトを参考にしました。
参考サイト:https://www.onaverage.co.uk/speed-averages/average-walking-speed
日本は、交通機関が発展いるため、ある程度の誤差は出るかもしれませんが、私たちが考えているよりも、歩いているということは変わりませんね。
歩行速度が遅いと認知機能は低下する?
歩行と認知機能…
一見、関係なさそうな2つに見えますが、実は大いに関係しています。
高齢者を対象に42か月追跡した研究をご紹介します。
追跡前に、歩行速度と認知機能などを図り、その後の経過をみました。すると、
歩行速度低下のみを有する群と歩行速度低下と軽度認知障害を有する群で、認知症のリスクを増加させることを明らかしたとの報告があります。1)
つまり、認知機能が低下していなくても、歩行速度が遅いと認知症の発生リスクが生じるということがわかります。
また、中年者(対象者はいずれも45歳)を対象にした海外の研究では、歩行速度が遅いものは、そうでないものに比べ、
・脳容積が小さい
・平均皮質の減少
・脳表面積の減少
・白質高信号病変の発生率が高い
と報告しています。2)
白質高信号病変とは、簡単にいうと脳の虚血性変化です。血流の流れが悪くなり、それが強くなると、認知機能の低下やパーキンソニズムが出ます。
つまり、歩行速度が遅いと、神経認知機能が低下しやすく、加齢による老化が速くなるとのことがわかりました。また、その研究では、身体機能も見ており、握力、バランス能力、視覚などが低下していることも報告しています。
歩数と死亡数は関係している
歩数は、死亡数と関係しています。
イギリスで行われた4840名を対象した研究です。3)
歩数と歩行の強度、死亡数を調べた研究で、加速度計を使っています。
10.1年追った研究で、10.1年の間に1165名の方がなくなっています。
その中の、406名は循環器疾患、283名はがんで亡くなっています。
1日の平均歩数が4000歩のひとと比べ、全死因による死亡リスクが8000歩の人で51%、12000歩の人で65%減少させるとのことです。
また、1日の総歩行数を調整すると、歩行の強度と死亡数の関連を見ると相関はないとのことでした。
歩行の強度というよりも、歩数をしっかり確保することが死亡リスクを減らす結果となりました。
まとめ
・人生80年換算だと、赤道3周分歩く計算になる。
・歩行速度が遅いと、生理的な加齢が速くなってしまう。
・歩数を確保しないと、死亡リスクがあがる。
いかがでしたか。
今回は、歩行にフォーカスをあて、ご紹介しました。
歩行に関しては、大学院でもメインで調べていくので、これからも多く記事を書こうと思います。
歩行は、生活と密接な関係があり、最も簡単に確保できる身体運動です。
今は、家で自粛しているかたも多いですが、家の中をこまめに歩く(トイレやお茶を飲みに動く)ことも大切です。
ありがとうございました。
参考文献
1)土屋 剛彦, 牧迫 飛雄馬, 堤本 広大: 軽度認知機能障害と歩行速度低下により認知症の発症リスクは増加するか?. 理学療法学Supplement 44(2).2016
2)Avshalom C, Antony A, Jonathan M: Association of Neurocognitive and Physial Function With Gait Speed in Midlife. JAMA Network Open 2(10), 2019
3)Pedro E, Richard P, David R: Association of Daily Step Count and Step Intensity With Mortality Amang US Adults. JAMA 323(12): 1151-1160, 2020
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