おはようございます!
ひいろです。
昨日に続き、今回も「歩行」関連です。
テーマは「歩行分析」です。
先日、学校の後輩(4回生)に「実習ってどうなってるの?」?と聞きました。
「今は、延期して、自宅学習してます。」とのこと。
通常であれば、4回生は長期実習中です。コロナの影響です。
そういった、PT学生は今多いと思います。
「どうやって治療しよう」「評価できるかな」「うまく関係を築けるかな」
心配ですよね。
ぼくが、特に実習で困ったのが「歩行分析」です。
これは、多くの学生がうなずくテーマですよね。
特に、実習に行く前の学生にとっては。
そこで、今回は「歩行分析」の考え方をご紹介します。
異常歩行の原因や正常歩行については、多くのサイトや書籍に載ってます。
そっちを見たい方は、別のところを見たほうがいいですよ。
今回は、あくまで、ぼくが見てきたポイントを紹介します。
ぼくは、臨床経験としては少ないですが、少ないからこそ、「この点を絞って見ていた」というものがあります。
これを見に来てくれているのは、学生さんや若手の先生方だと思います。
これが、最善策とはいいませんが、少しでもコツをつかんでください。
目次
歩行分析はなぜするのか
歩行というものは、以前の記事でも言いましたが、
人生80年で考えると赤道3周分にあたります。
見ていない方は、下記のリンクからどうぞ。
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とてつもなく行われる、「歩行」が通常から逸脱すると身体に機械的なストレスを与えます。すると、痛みの原因になり、痛みから歩かなくなると筋力が低下し、生活習慣病やうつ病、サルコペニアの原因へつながります。
歩行分析は、歩行の姿からどこ逸脱しているか観察し、その原因を考え治療する。
それは、とてもむずかしい
一朝一夕でいく、はずがない。
でも、出来なければ上司やバイザーに怒れる。
患者様の治りも遅くなってしまう。
そのリスクを少しでも減らすためにポイントをいくつかご紹介します。
はじめは全体でみる
どうしても、はじめは疾患の箇所だけを見がちになってしまいます。
変形性膝関節症のひとは、膝ばかり。
たしかに、痛みが出ている箇所で逸脱していることは多いです。
それだけでは、あきません。
だって、膝の上の股関節や骨盤、体幹、下の足部にも影響を与えているからです。
変形性膝関節症で、よく見られるのは「ラテラルスラスト(外側スラスト)」。荷重時に膝が外へ揺れます。
すると、足底の内側は浮上(足部の回外)、股関節は下腿が外へ行くので、大腿は相対的に内へ行き内転、体幹は、遊脚側へ傾く。もしかしたら、痛みの逃避動作で体幹を立脚側へ傾く(その場合は、股関節は外転)可能性もあります。
これを、膝だけ見ていたら把握できません。
患者様が、ある日腰が痛いと言われたら、「今の歩き方が原因ですよ。」と言ってあげれない。
なので、全体を見て、だいたい把握出来たら各箇所を見るほうがいいですよ。
立脚側に原因があることが多い
遊脚側中に問題があると、感じたら絶対、立脚側もみてください。
立脚側というのは、言わば片足で身体を支えています。
支えているほうが、痛みや筋力低下などの原因で、逸脱した結果、反対側に影響を及ぼすことは多いです。特に、骨関節疾患なら。
はじめのうちは、両側みるのがむずかしいようであれば、立脚側に焦点を当てることもいいと思います。
患者様の歩容をマネ出来るようにする
よく、どこが悪いのかわかりません。という後輩がいました。
その後輩に、「正常はわかるの?」というと、「び、びみょーです。」
そしたら、僕はいつも「マネできるか。」と聞きます。
患者様の動きをマネ出来るというのは、非常に強いです。
なぜなら、その特徴を分かっているから。正常と比べれるからです。
正直、その時にわからなくても、休憩時間、勤務外でマネさえ出来れば、正常歩行の本を読みながら、どこが逸脱しているか復習出来ます。
これを繰り返せば、経験が積まれ、いずれ診察中でも分析出来るようになるはずです。
僕も、実習、現場ではマネが出来るように何度も復習しながら原因を考えたものです。
ゆっくり歩いてもらう
これは、ぜひやってほしいです。
通常歩行とことなり、速度を落とした歩行はより、筋力やバランス能力が必要だからです。
正直、通常歩行で歩いてもらっても、どこに逸脱があるかわからないときに使えます。
さきほども、言ったようにゆっくり歩行するというのは、通常速度よりも能力が必要。
難易度が高いということは、より逸脱が生じやすいです。
ラテラルスラストも、通常歩行よりもはっきりと現象を捉えることが出来ます。
これは、めちゃおすすめです。
片足立ちしてもらう
よく、歩行とバランス能力は相関があると言われます。
だって、歩行って片足立ちの連続だからです(これはめちゃ簡単に言ってます)。
片足立ちしてもらうというのは、いわば意図的に立脚期をしてもらうわけです。
すると、骨盤が遊脚側に下がったり、膝が外へ逃げたり、体幹が立脚側に傾いたりすることがあります。それは、患者様によってことなります。
それを見てから、実際に歩いていただくと、「あれ?さっき、片足立ちしてもらったときにと、同じことが起こっている。」ということが、多々あります。
つまり、歩行分析を行う前にある程度、見るべき点が絞れます。
絞った点を中心に、歩行分析すると迷わなくて済みますよね。
ただ、これをするときの注意点があります。
それは、安全な環境をつくってあげること。
精神的な不安で、バランスをくずすこともありますからね。
平行棒内で行うと、いいと思います。
こんなもんですかね。
実際に、臨床に出て、ぼくが着目していたポイントの5つです。
ぼくも、歩行分析は苦手でした。
しかし、この5つのポイントを中心に行うことで、それなりに理解出来たと思っています。
ほんとうに、わからないようであれば、迷わず上司やバイザーに聞いたほうが絶対にいいです。患者様は、よくなるために来てます。それを、自分のプライドが許さないとひとの意見を聞かないのはご法度です。
あなたが、本当に患者様を思うなら、ひとに頼ることも大切です。
少しでも、患者様を助けるあなたへの力になれたら、ぼくもうれしい限りです。
まとめ
・まずは、全体をだいたいでいいから把握する。疾患のところばかり、みない。
・立脚側に問題があることが多い。迷ったら、まず立脚側をみる。
・マネが出来るようにする。マネをしながら、正常とどこが逸脱しているか考える。
・ゆっくり歩いてもらう。通常歩行よりも逸脱している現象が顕著に生じやすい。
・片足立ちから、歩行の見る点を絞る。歩行は片足立ちの連続だから。
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